天カス学園みた日記(2022/11/25)

ずっと気になっていた「映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園」を見た。

昨日、ふっくらすずめクラブというオモコロライターたちのユーチューブチャンネルで紹介されており、そういえば以前、ラジオ漫画犬でも凸ノさんが面白い!と話していたなと思い出す。(オモコロ大好きだな。)

 

私の親はクレヨンしんちゃんを禁止していたし、そのまま触れる機会もなく年を取ったので、作品を見るのは初めてだ。

アベマで無料配信をしていたのでありがたく視聴。

 

……全員キャラデザよすぎじゃない!?!?

ろろさん、かっこいい……。

名前も最高。「膨萩椋美(ふくらはぎ むくみ)」て。(Wikipediaより)

 

ストーリーはミステリーと聞いていたので画面を注視……。

クライマックスで普通に泣いてしまったためドライアイになりました。

 

ネタバレなしの感想だけど、ミステリーものとしてかなり良かった思う。

その理由を三つ書いておく。

 

まず、推理の納得感。

ミステリーでは事件(結果)に至る筋道(本作では、誰が犯人か)を推理するけれど、その筋道に納得感がなければ読み手は満足しない。

納得感のためには、証拠が十全に示され、読者の発想力だけでもある程度推理ができなければならないと思う。

その点、本作は、証拠がハッキリと分かる形で描かれ、物語が進行するごとに筋道が絞られてゆき、推理をしやすい構成になっていた。

証拠のシーンは、「そこがヒントになりますよ!」と親切に、でも分かりやすすぎない程度に表現されていた。

小学生くらいの子どもでも真相を聞いたときに「あれか!」とひらめいて納得できそうだなと思った。

個人的には、証拠が出そろうあたりには、犯人は動機も含めてこの人かなあ~という目星はつけていたけれど、終盤に「あれ!? 違うかも!?」という証拠も出てきたりして、気づけば最後までしっかり楽しんでいた。

 

次に、真相の意外性。

推理した過程が理にかなっているというだけでは単調なストーリーになってしまう。意外性がなければ読者を驚かせられない。

たとえば、麻耶雄嵩の「翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件」を読んだときは、「こんなの誰が思いつくんだよ!!」と叫んだけれど、常識でがんじがらめになった脳みそを冷たい刀で両断されたみたいにスーッと快感が走った。

ミステリーの読者は、驚きや意外性、騙されることを求めてミステリーを読む……という記述を何かで見た気がする。

意外性って言っても、あまりに突拍子もなかったり現実離れしていたら驚けないから、ちょうどいい塩梅があると思うし、それが難しい。

本作では、物語の最初の方に暗号が示される。

暗号は様々な読み方ができるため、容疑者候補は何人もいる。

是非是非真剣に証拠を集めて考えてみてほしい。

小さいところまで真剣に見ようとすればするほど、真相の意外性の快感にやられると思う。(私はやられました。)

他にも意外性要素はたくさんあり、ミステリーでしか得られない脳内物質が出た感じがする。

 

最後に、謎の解決と作品固有の問題の解決が融合したクライマックス。

純粋に謎だけを解決する作品ももちろん面白い。

しかし、ミステリーのクライマックスと作品の主題の解決が融合したらどうなるか。

……最高に面白いエンタメになる。

本作のキャッチコピー(すなわち、作品固有のテーマとも言えるだろう)は「青春(ミステリー)の答えはひとつじゃない。」。

これ、観終わった後に知ったけど物凄いキャッチコピーだな!? 鳥肌立った。

登場するキャラクター自身の説得力でもって、このテーマを描き切る。

ミステリーの答えは一つしかない、という読者の思考を裏切り、しかし、一つの作品が示す堂々とした「たった一つの答え」でもある。

最高。

あと、アニメ映画としての見せ方も上手くて普通に感動した。

ろろさん……。オタクはアンタが大好きだよ。

 

ミステリーものとしての感想は以上のとおり。

面白かった~。

 

映画、複数人で観ると全然泣けないんだけど、一人で見ると普通に感動して涙が出てくるな。

 

笑って泣けて、劇場で観たら最高の経験になるいい映画だなあと思いました。

 

他にも書きたいことがあるけれど!

今日は以上です。