2023/01/28

うたよみんという短歌のアプリがサービス終了らしい。

本当にありがとうございました。

文字のフォントを変えたり背景の色を選べたり、楽しい工夫があって面白かった。また投稿したいなあと思える場所でした。

このアプリがなかったら自分の短歌が生まれることはなかった。

ありがとう……。

うたよみんには22回投稿していたらしい。

データは消えるそうなので、ここに残しておく。

 

 

繰り返す 波は此方へまた彼方 同じ波なし ただのひとつも

 

命なぞ 明日終わるかも分からぬが 今日の光は明日に届くよ

 

道すがら空を見上げてきれいだと思えた君の心がきれいだ

 

置き去りにされてなお今たくましく 庭を見守る素焼きの兎

 

山遠く 一陣の風 花の匂い 想像の場所 一緒に行こうよ

 

滔々とあふるる重いを絞り出す 細すぎる糸 胸の苦しみ

 

弱さゆえ逃げたあの日の声がまだ僕を呼ぶから強くなりたい

 

赤信号 片足ついた自転車の君の眼光 世界の果てまで

 

時止めたプールに流星飛び込んで白い尾を引く泡沫の夏

 

茶店 がさつな僕には似合わない 手を引き微笑む君だけが理由

 

給食のイチゴのジャムは塗らないでポケットの中 母と分けたい

 

手のひらでふわりと包んだ昨日から柔く香り立つ温い金色

 

酔い酔いて言葉も迷いも宇宙の果て行けない僕を鼓舞する鼓動

 

伝えたい世界のすがたを描くため ひとつの線に命を捧げる

 

燦然と輝く星を掴みたい 無謀な願いが瞳を燃やす

 

ぬくもりを手放しつかむ まぼろしを 苦しみ悲しみ 涙のみ知る

 

鉄砲のごとき水流にうたれても丸くはならぬ我が硬き石

 

点と点 繋ぐ切符 川流る 車窓に映るはありし日暮れか

 

ぽっかりと薄い青さの霞空 真白に浮いた白い月かな

 

気づかずに一枚多く手牌もつ ぐらりと沸くも つと凍りゆき

 

さよならを了解している巡り合い それでも名前をあなたの名前を

 

ありがとう 言葉と音の世界では あなたに嘘をつかずにすんだ

 

 

以上です。ありがとうございました。